『ものづくりが好き』だけで十分?チームラボが求める人材の本質
皆さん、こんにちは!キャリトリ編集部です。
今回はチームラボ創業者のひとりである堺大輔氏に就活で大切なことについて伺いました。前回の記事とは異なり、今回は具体的な就活の心得や心構えについて焦点を当てています。堺大輔氏の25年に渡る経験から導き出される就活アドバイスは、学生の皆さんにとって貴重な指針となるでしょう。
就活の原点は「ものづくりが好き」という純粋な気持ち

堺氏は、チームラボが求める人材像の第一条件として「ものづくりが好きであること」を挙げています 。これは単なる仕事の好き嫌いだけでなく、自分が関わるものに強い興味と熱意を持つことが大切だということです。就活生の皆さんも、働くうえで何に情熱を持てるかを見つめることが成功の鍵になります。
堺氏によると、この「好き」という気持ちこそが、困難な課題に直面した時の原動力になるといいます 。アート作品の制作では99.999%が技術的課題の解決に費やされると語る堺氏の言葉からも、純粋な興味関心がいかに重要かがわかります。学生時代から自分が本当に興味を持てる分野を見つけ、深く関わる経験を積むことが重要です。
個人の力を最大化しつつ、チームで協力する姿勢
チームラボは個人プレーよりもチームワークを重視しています。堺氏は、アーティスト志向よりも、チームの中で協力してより良いものを作り上げることができる人こそが会社にマッチする人材だと強調しています。就活生の皆さんも、自分の強みを発揮しながら、周囲と協力して成果を出す姿勢を意識するとよいでしょう。
特に注目すべきは、チームラボでは各分野の専門性に基づいた動的なヒエラルキーが存在することです。これは、自分の得意分野では積極的にリーダーシップを発揮し、他の分野では素直に学ぶ姿勢を持つことの重要性を示しています。学生時代から多様なプロジェクトに参加し、リーダーとフォロワー両方の経験を積むことが推奨されます。
選考プロセスでは実力を正確に示すことが最重要
堺氏は、職種によって異なる採用プロセスについて詳しく説明しています 。デザイナー職の採用においてはポートフォリオが非常に重要で、短い面接時間では伝えきれない自分のスキルや思考の過程を詳細に見せることができるため、こだわりを持って準備することが望ましいといいます。

エンジニア職では必ずプログラミングテストが実施され、技術力を正確に測定されます 。カタリスト職については特別な技術的知識は求められませんが、問題解決能力やコミュニケーション力が重視されます。どの職種でも共通して言えるのは、「見栄を張らず、等身大の自分を正確に伝える」ことの重要性です。
インターンシップは「お客様扱い」されないリアルな経験の場
カタリスト職の選考では、特に実務に近い環境で2週間のインターンシップが実施されます 。ここでのポイントは、特別扱いされることなく、リアルな業務を経験できることです。堺氏はこの期間を通じて就活生自身も会社のカルチャーを理解し、双方にとって良いマッチングの場になると話しています 。
このインターンシップでは、実際のプロジェクトに参画し、チームラボの職人的な組織文化を肌で感じることができます 。学生にとっては「働くことへの解像度」と「自分の強みを知るための視点」を得られる貴重な機会となっているといいます。就活生には、このような実践的な経験を通じて、自分に合った働き方や環境を見つけることを推奨しています。
論理性と創造性を高次元で融合させる思考力
堺氏は「論理的でない人は向かない」と話す一方で、言葉にできない創造性の重要性も強調しています 。この二つを高い次元で融合することが、チームラボ社員に求められる資質です。就活生も技術力や論理的思考を磨く努力はもちろん、表現できない感覚的な力も大事にしてほしいとのメッセージです 。
具体的には、研究活動や学業において「なぜ?」と問いかける習慣を身につけること、そして同時に直感的な感性も大切にすることが重要だと語っています 。この両立は決して矛盾するものではなく、むしろ相互に補完し合う関係にあるというのが堺氏の考えです。
学生時代に培うべき基礎的な能力と経験

堺氏は学生時代の過ごし方についても具体的なアドバイスを提供しています 。まず重要なのは、大学での学業に真剣に取り組むことです。専門分野の知識はもちろん、研究活動を通じて論理的思考力や課題解決能力を身につけることが社会人になってから大いに役立つといいます 。
また、多様な人々との関係性を築くことの重要性も強調されています 。異なる背景を持つ友人や先輩、後輩との交流を通じて、コミュニケーション能力や協調性を育むことが、チームラボのような協働を重視する組織で活躍するために不可欠だと語っています。
就活における心構えと継続的な学びの姿勢
堺氏は就活を単なる「就職先探し」ではなく、「自分自身と向き合い、将来のキャリアビジョンを描く貴重な機会」として捉えることの重要性を説いています 。短期的な内定獲得だけを目標にするのではなく、長期的な視点で自分の成長と社会への貢献を考える姿勢が大切だといいます 。
さらに、就活期間中も継続的に学び続ける姿勢を持つことを推奨しています 。技術の進歩が著しい現代において、学習を止めることは競争力の低下を意味します。チームラボでも常に新しい技術や表現手法に挑戦し続けており、そうした環境で活躍するためには生涯学習の姿勢が不可欠だと強調しています。
学生へのメッセージ
堺氏の語る就活の心得は、単なるテクニックやテスト対策だけでなく、自分の本質を見つめ直し、チームの中で何を大切にできるかを考えることの大切さを教えてくれます 。特に重要なのは、「好き」という気持ちを大切にし、それを論理的思考と創造性の両方で支えていく姿勢です。学生の皆さんが、進むべき道を見つけていくうえで参考になれば幸いです。

取材を終えて
堺氏のお話から、就活成功の鍵は表面的なスキルアップではなく、自分自身の興味関心を深く理解し、それをチームの中で活かす方法を見つけることにあることがわかりました 。チームラボという創造性と技術力を高次元で融合させる企業で長年活躍してきた堺氏ならではの視点は、多くの就活生にとってこれからの道しるべになるありがたいお話でした。
皆さんの就活や将来について考えるきっかけとなるような、素敵な企業や人物を引き続きご紹介していきます。次回もお楽しみに!

