丸亀製麺を世界へ広げる挑戦――トリドールHDが描く、従業員とお客様の幸せをつなぐ“心的資本経営”
皆さん、こんにちは!キャリトリ編集部です。 今回は、店長の年収を最大2,000万円に引き上げる制度を発表するなど、いま飲食業界で大きな注目を集めているトリドールホールディングスを深掘りしていきます。 本記事では、トリドールホールディングスの社風や取り組み、そして働き方にフォーカスしてご紹介します。

「食の感動で、この星を満たせ。」を掲げ、丸亀製麺をはじめとする多彩なブランドを展開する同社は国内外で店舗数を広げる一方で、“人の力”に徹底してこだわる独自の経営を進めています。
そんなトリドールHDでマーケティングや海外展開を担う大洞マキさんにお話を伺い、同社が描く未来と、学生にとっての魅力を探りました。
世界に広がる「丸亀製麺」という挑戦
トリドールHDはうどん専門店「丸亀製麺」を中心に焼き鳥や天ぷらなど多彩なブランドを国内外で展開しています。現在では世界20以上の国と地域に進出し、グローバルフードカンパニーとしての地位を着実に築いています。
「手づくり・できたて」にこだわる丸亀製麺は効率化や機械化が進む飲食業界のなかであえて人の温もりを大切にし続けています。実際に海外出店の際も、単なる店舗展開ではなく、現地の文化や価値観に寄り添った“感動体験”をどう届けるかに注力しているのが大きな特徴です。
大洞さんが歩んできたキャリア
大洞さんは「やったことがないことでも、任せてもらえたら全力で応えたい」と即答するタイプ。採用からマーケティング、海外展開まで幅広い役割を担ってきた背景には常に「まず挑戦してみる」という姿勢があります。
「5年に一度、社内で転職しているような感覚です。その分プレッシャーもありますが、新しい環境でゼロから挑むのが面白いんです」と笑顔で語る姿が印象的でした。

実際マーケティング部門を任された際にはまったく経験がなかったものの、40冊もの専門書を読み込み、必死に知識を吸収して追いついたといいます。また「日本一おいしそうなシズル写真」を追求し、ブランドの魅力を高めるクリエイティブ制作をリード。さらに最近では海外展開を担当し、韓国やドバイでの出店を成功に導いています。現地の人々に「丸亀のうどんをどう魅せるか」を試行錯誤しながら形にしていく姿勢は、まさにグローバル人材に求められる挑戦そのものです。
社風と働き方:信じて任せる文化
トリドールHDの大きな特徴は「権限委譲の文化」です。

創業者は「人を信じる」という姿勢を持ち、社員に大きな裁量を任せています。実際大洞さんも入社当初から「どうにかして」と幅広いミッションを託されてきたそうです。
また組織は役職ではなく“役割”として捉えられており、社長も「さん付け」で呼ばれるフラットな関係性が根づいています。
従業員を大切にする取り組み
「従業員が幸せでなければ、お客様を幸せにできない」という考えのもと、福利厚生の充実にも力を入れています。
- 子育て支援:従業員の15歳以下のお子さまに、親が働くブランドと同じ店舗で無償の食事補助を提供
- 有給休暇の全消化:アルバイトを含め、退職時には必ず消化できる仕組みを整備
- 給与体系:シングルマザーでも子どもを大学まで通わせられる水準を目指す
飲食業界にありがちな「働き手が疲弊する」イメージを覆し、安心して働ける環境づくりを進めている点も大きな特徴といえます。
「心的資本経営」という新たな挑戦
2025年9月、トリドールHDは新たに「心的資本経営」を発表しました。
これは従業員の“心の幸せ”とお客様の“心の感動”を両輪とする独自の経営思想で、機械化・省人化が進む業界において、あえて「人の力」に最大限投資していくという挑戦です。
その一例が「ハピカンオフィサー制度」。店舗の責任者を「ハピカンキャプテン」と呼び、最大年収2,000万円という報酬で従業員の内発的なやる気を引き出す仕組みです。さらにAIを活用して従業員の心の状態を可視化する「ハピネススコア」や、家族を巻き込んだ「家族食堂制度」など、人と人とのつながりを軸にした施策を次々と打ち出しています。
大洞さんは「社員が安心して挑戦できる環境があるからこそ、結果的にお客様へ感動を届けられる」と語り、この経営の本質を体現していました。

まとめ
トリドールHDは従業員を大切にしながら、世界に食文化を広げる挑戦を続ける企業です。
新入社員であっても「自分の提案がそのまま施策になる」チャンスがあるのは、大きな特徴のひとつ。実際に若手社員が現場で気づいた改善案が採用され、店舗全体に広がった事例もあるそうです。
「人を信じて任せる文化」のもと、学生の皆さんも早い段階から責任ある仕事に挑戦できるはずです。これによって「自分がここで働いたらどうなるか」をリアルに想像できるでしょう。
丸亀製麺を知っている学生は多いと思います。しかしその裏側には「人を信じ、未来を切り拓く企業文化」が息づいています。あなたのキャリアの選択肢にぜひ加えてみてください。
トリドールホールディングスの社風や取り組みについてご紹介しました。少しでも理解が深まっていたらうれしいです。次の取材もお楽しみに!