「地頭」と「意見を持つ力」こそが就活の武器 〜 元サイバーエージェント幹部が語る働く本質

就職活動は、多くの学生にとって「自分の将来を決める大きな選択」です。企業の求めるスキルや経験をどう身につけるべきか、不安を感じる人も多いはず。そんな中、私たちキャリア・トリガーの学生記者は、広告代理店大手・サイバーエージェントでエグゼクティブ職を経験し、現在は教育や人材育成事業も手がける本間さんにお話を伺いました。

就職活動は、多くの学生にとって人生の大きな分岐点です。エントリーシートや面接、グループディスカッションなど、数多くの選考を前に「どう自分をアピールすればよいのか」と悩むこともあるでしょう。そんな中、広告代理店大手・サイバーエージェントのエグゼクティブを務め、現在は教育や人材育成事業を手がける本間亮平さんに、就活とこれからの働き方について話を伺いました。

就活で差がつく思考力 「地頭の良さ」

「地頭が良い」と言われても、その意味が曖昧で戸惑う学生も多いはずです。本間さんは「地頭の良さ」を次の2つに整理します。

  1. 1つの物事を要素分解できる力
  2. 複数の事象から本質を抽出できる力

この能力があると、バラバラに見える情報を整理し、本質を素早く見抜けるため、ビジネスの意思決定が速く、論理的に考えられるとのこと。実際に就活の面接でも、知識の披露だけでなく、こうした論理的な思考を示すことで評価が大きく変わるそうです。

「意見を持つ学生」は即採用したい

本間さんは、企業のミッションやビジョンに対して「自分はこう考える」と積極的に自分の意見を持って話せる学生を高く評価します。

「企業のミッションやビジョンに対して、自分はこう思う、と言える学生。これは間違っていてもいいんです。正解なんて存在しないから。むしろ『私はこう考える』と言える主体性のある人の方が、即採用したいと思いますね」

間違っていても問題なく、正解は存在しないからこそ「主体性を持って自分の考えを語ること」が価値になるのです。これは現場を知る人ならではのリアルな視点です。

20代は「量」をこなして力をつける時期

若いうちにスキルの「量」をこなすことの大切さも本間さんのメッセージの1つです。

「僕も20代のころは3徹4徹(3日・4日連続徹夜)が当たり前のようにありました。でもつらいと思わず、ゲーム感覚で自分がレベルアップしているのを楽しんでいました」

もちろん無理は禁物ですが、量をこなし失敗も経験しながら挑戦することでしか磨けない力があり、その積み重ねが後の自信と成長につながると言います。

就活でも「経験がない」と悩むより、まずは数をこなすことで自信をつけることが大切だと教えてくれました。

優秀な新卒に共通するポイントとは?

では、どんな学生が企業から「将来有望だ」と期待されるのでしょうか?

本間さんは即答しました。

  • 「主体性があり、自分の意見を臆せず話せる人」
  • 「諦めずに粘り強く挑戦し続ける人」

会社はさまざまなバックグラウンドや考えを持つ人が集まり、新たな価値を生み出す場です。だからこそ、自分なりの考えを持って発信できる学生が歓迎されるのです。

挫折からの成長体験も大切な財産

本間さんは、エグゼクティブまで上り詰めた経歴の陰に「使えない」と言われてフリーエージェントにされた苦しい経験も語ってくれました。

「1年目は本当に評価されなくて、フリーエージェントに回されたこともありました。でも、そこで腐らずに数をこなしていったら、次第に成果が出始めて、逆に社内から『彼と一緒なら勝てる』と言われるようになったんです」

挫折は誰にでもある。けれど、そこで踏ん張れるかどうかが、将来の分かれ道になる――。学生である私たちにとって、非常に重みのある言葉です。

学生へのメッセージ

最後に、優しい本間さんから現実的かつ励ましのメッセージをいただきました。

「就職活動は人生の大きな分岐点ですが、そこに正解はありません。重要なのは「自分の答え」を持つことです。企業や面接官は、模範解答ではなく、主体的に自分の意見を持ち、率直に伝えられる人を求めています。間違っていても問題ありません。むしろ、自分なりの考えを持ち、それを語る姿勢が強みになります。あなたの「地頭」と「意見を持つ力」が、これからのキャリアの大きな武器になることを心から願っています。」

この話を聞いていた学生たちは、自然と姿勢が正され、真剣な表情で話に引き込まれていました。

取材を終え、就活は「正解探し」ではなく、「自分自身の答えを持ち、挑戦し続けること」が未来を切り開く鍵だと強く感じました。

就活は「ゴール」ではなく「スタート地点」。自分の答えを持ち、挑戦を続けることが、未来のキャリアにつながる。このことを胸に就活に自信と勇気を持って臨んで行きたいと思います。

本間さん、本日は貴重なお時間ありがとうございました。

                                    

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