凡庸さが武器に変わる  ~人気著者・敏腕編集者の柿内尚文さんが語るヒットの秘密とキャリアの強み~

皆さんこんにちは!今日はこれまで企画した本の累計発行部数は1000万部以上、10万部超えるベストセラーは50冊以上に及ぶ実績を持つ編集者・柿内尚文さんにお話しを伺いました。

編集者としてだけでなく、ビジネス書の著者としても大人気で、4冊で50万部以上という偉業を成し遂げておられます。『パン屋ではおにぎりを売れ』『バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則』など手に取りたくなるような書籍が印象的です。

そんな柿内さんから凡人だからこそできる仕事、就活生にも響くヒントも頂きいました!

◾️凡人だからこそ、できる仕事がある

柿内さんは東京都出身、読売広告社を経て出版業界に転職され、「大学時代は遊び中心で、就活では自信を失いました」と話す垣内さん。出版界に入っても企画が通らず失敗続き。そんな日々を支えたのは、気づいたことや学びをすべて書き留め、マニュアル化する積み重ねでした。

「人から言われたこと、本で学んだことを全部ストックして、自分なりにマニュアル化していったんです。小さな蓄積を続けた結果、20代後半には企画が通るようになりました」

凡庸さを嘆くのではなく、積み重ねを強みに変える――それが垣内さんのキャリアの原点でした。



凡人だからこそ、できる仕事がある

「すごい人は、できない人の気持ちがわからないことがあります。僕はできないからこそ、できない人の心情がわかる。それがヒットを生む力になったんです」

垣内さんが関わった本は、「16時間断食」「味噌汁の本」「3000円投資」など社会的なブームを生み出しました。特に「味噌汁の本」は80万部を超え、日本の味噌消費を復活させたとまで言われています。

「僕はホームランバッターではなく、コツコツとヒットを打つタイプ。だからこそ、継続的に成果を出せるのかもしれません」

ここに柿内さんの核となるもの感じ、派手な成功だけではなく、地道な努力が長く成果を生むというリアルな編集者の姿が伝わってきました。

 就活にも通じる「伝える」ではなく「伝わる」

学生から「自己PRはどう語ればいいか」という質問が出ると、垣内さんはこう答えました。

「大事なのは”伝える”ではなく“伝わる”ことです」

たとえばビジネス書でも、専門的な説明ばかりでは読者に届きません。恋愛や食べ物など、誰もが自分ごととしてイメージできる題材を使って説明することで、初めて「伝わる」のだといいます。

「脳は知っているものをスルーする。だから『3000円投資』という常識外れのタイトルで注目を集めた」とのこと。意外性やズレを作ることが、興味を引き、魅力をPRするポイントだと語ります。

自身の著書でも「パン屋ではおにぎりを売れ」「バナナの魅力を100文字で伝えてください」といった意外性のあるタイトルを意識的に選んでいるそうです。

これは就活の面接でも同じ。自分が言いたいことを並べるだけではなく、相手がどう受け取るかを意識して話すことが大切だと強調しました。


失敗は「価値」に変えられる

取材中、学生から「失敗をどう受け止めるか」と問われた垣内さん。

垣内さんは土下座、怒鳴られる、企画が通らない……数え切れないほどの失敗を経験しました。

しかし彼は「失敗を失敗のままにしない」ことを徹底してきました。失敗を一つひとつ分析して改善してきました。

「なぜ失敗したのかを必ず言語化し、次につなげる。そうすれば失敗は“財産”になります」

この考え方は就活にも当てはまります。面接で落ちても、原因を振り返れば必ず次に生きる。落ち込むだけで終わらせるのではなく、学びに変えることが成長の分かれ道になるのです。

「失敗を無駄にせず、次の糧にできる人は成長が早い。ピンチはピンチで終わらせず、必ずチャンスに変える。そう考えるだけで気持ちも楽になります」

 学生へのメッセージ

最後に垣内さんは「失敗を失敗のままにしない」ことを貫いてきたと語ります。なぜ失敗したかを言語化し、次に活かすことが重要。ピンチをチャンスに変えるマインドが成長を加速させると言い、就活生にエールをくれました。

  •  小さな気づきを積み重ねてストックすること
  •  「伝える」ではなく「伝わる」を意識すること
  •  凡庸さを強みに変える視点を持つこと
  •  失敗を必ず価値に変えること

「凡人は弱みではなく、誰よりも人に寄り添える強みです。自信を持って自分の弱さも武器にしてください」と柿内さんは力強く締めくくりました。

取材を終え、編集者という仕事が決して華やかだけでなく、泥臭い努力と失敗の連続であることを実感しました。しかし、それを乗り越えた先にある確かな成果と喜びがある。凡庸さを恐れず、自分の弱さも武器に変えることの大切さを改めて教えてもらえました。

凡庸さを強みに変え、着実に成果を出してきた柿内さんの言葉は、多くの就活生に勇気を与えるはずです。

柿内さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!

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